電気設備用サーモグラフィは、分電盤・配電盤・制御盤・変圧器・高圧受変電設備の端子、接続部、ブレーカー、母線などに生じる異常発熱を非接触で検出します。日常巡回には小型・フォーカスフリー機、受変電設備や遠距離診断には高解像度・オートフォーカス・交換レンズ対応機、危険場所には防爆認証機を選定します。
小型・携帯型電気設備点検用。対象:工場内の巡回、簡易スクリーニング、分電盤・配電盤・制御盤用、ブレーカー、端子台、電磁接触器、配線

HIKMICRO ポケットサーモグラフィカメラ (Wi-Fi付) – PocketE/Pocket2
HIKMICRO PocketE :温度測定範囲 : -20℃~350℃ 熱画像解像度:96x96
HIKMICRO Pocket2:温度測定範囲 : -20℃~400℃ 熱画像解像度:256×192
熱画像と写真の融合で、“見える”をもっと鮮明。Super IR画像強化技術
温度分布(PocketE:NETD<50mK 0.05℃/Pocket2:NETD<40mK 0.04℃)
3.5インチLCDモニタのタッチスクリーンでラクラク操作
最高温度と最低温度を手動でカスタム設定。高温アラーム機能付き。連続デジタルズーム(1X~4X)

HIKMICRO ハンディサーモグラフィカメラBシリーズ
HIKMICRO B10S:温度測定範囲 : -20℃~550℃|熱画像解像度: 256×192
HIKMICRO B20S:温度測定範囲 : -20℃~550℃|熱画像解像度: 256×192|WiFi機能付
日常操作に適したコンパクトで使いやすいサーモグラフィカメラ
Super IR画像強化技術による鮮明な熱画像。
温度分布(NETD<40mK 0.04℃)
全画面で精密で広範囲な温度測定(最高温/最低温/中心点を自動追跡)
高温アラーム機能

FLIR C8 小型サーモグラフィカメラ Wi-Fi付きクラウド対応
可視画像のディテールを熱画像に重ねて表示し、問題の特定をよりスピーディに。
測定温度範囲:-20°C~450°C、熱画像解像度:320×240
温度分布(NETD<50mK 0.05℃)
測定視野角:35°×27°、クラウドサービスFLIR IgniteとのWi-Fi接続

FLIR E5 Pro~E8 Pro 赤外線サーモグラフィ
温度測定範囲 : -20℃~400℃|熱画像解像度: 160×120
リアルタイムに精密・鮮明な熱画像を表示、MSX搭載。温度分布(NETD<60mK 0.06℃)
3.5インチタッチパネルで効率的な検査を実施。
近距離中距離向け手軽・万能なサーモグラフィカメラ。
電気設備用サーモグラフィの選択条件
| 選定項目 | 推奨条件・確認内容 | 電気設備で重要な理由 |
|---|---|---|
| 赤外線解像度 | 日常巡回は160×120以上、 詳細診断は320×240以上、 遠距離・高圧設備は384×288以上を目安 | 端子、接続部、ヒューズ、ブレーカーなど、小さな発熱箇所を識別するため |
| 温度分解能(NETD) | 50mK以下を一つの目安とし、微小な温度差を重視する場合はより小さい機種 | 緩み、接触抵抗、負荷の偏りによる初期段階の温度差を捉えやすくするため |
| 測定対象までの距離 | 近距離の盤内点検か、高圧設備・屋外変電設備の遠距離点検かを確認 | 同じ画素数でも、対象が遠いほど小さな部品を測定しにくくなるため |
| 瞬時視野角・空間分解能 | 最小測定対象が何mmか、測定距離ごとに確認 | 小さな端子や碍子を画面上で十分な画素数に収めるため |
| フォーカス方式 | 盤内巡回はフォーカスフリー、遠距離・詳細診断はオートまたはマニュアルフォーカス | ピントのずれは温度測定値と異常箇所の判別に影響するため |
| 交換レンズ | 遠距離の変電設備や広い盤面では望遠・広角レンズ対応を確認 | 高所や安全距離を保った位置から対象を十分な大きさで撮影するため |
| 測定温度範囲 | 一般的な電気設備では**-20~400℃程度**を目安 | 端子、配線、ブレーカー、変圧器などの異常発熱をカバーしやすいため |
| 可視画像・画像合成 | 可視光カメラ、輪郭合成、フュージョン機能を確認 | 熱異常がどの端子・部品で発生しているか特定しやすくするため |
| 温度アラーム | 最高温度、しきい値超過、可視・音声アラームへの対応 | 巡回中に異常箇所を即座に見つけやすくするため |
| 画像保存・解析機能 | 放射温度データ付き熱画像、PC解析、レポート、Wi-Fi転送への対応 | 過去画像との比較、傾向管理、修繕前後の記録に必要なため |
| 現場耐久性 | IP54以上、耐落下性能、交換バッテリー、連続使用時間を確認 | 屋外、高所、粉じんのある電気設備現場で継続使用するため |
| 防爆性能 | 危険場所では国内防爆、ATEX、IECExなど対象区域に適合する認証を確認 | 一般機を危険区域へ持ち込むことはできないため |
| 校正対応 | 校正証明書、試験成績書、トレーサビリティ体系図の発行可否 | ISO管理、官公庁、工場の品質管理記録に対応するため |
最も重要な条件
電気設備では、単に「最高温度を測れるか」より、次の3点が重要です。
- 測定距離から端子や接続部を十分な画素数で捉えられること
- 正常相・正常端子との温度差を比較できること
- 異常箇所を可視画像と対応させ、点検履歴として保存できること
特に遠距離の受変電設備では、解像度だけでなく、空間分解能・フォーカス・望遠レンズを確認する必要があります。
設備保全では、次の6つの条件を満たす機種を選ぶことが重要です。

工場の電気設備は、老朽化によりケーブルや端子に緩みが出て異常発熱を起こす場合があります。
放置すると、焼損・停電・火災リスクにつながる可能性があります。
その異常の多くが発熱として表れるため、定期的に赤外線サーモグラフィを使用して点検すると、安全かつ短時間で異常箇所の早期発見が可能になります。
電気設備点検(配電盤など)でサーモグラフィが有効な理由
電気設備(配電盤・分電盤・受変電設備)は、負荷電流と抵抗値に応じた熱を発生しています。
定期的に、赤外線サーモグラフィで電気設備を計測し、傾向を把握することで、異常発熱があった場合に、正常状態データとの比較から不具合の予兆検知を行うことが可能となり、事故防止に役立ちます。
電気設備点検(配電盤・分電盤・受変電設備など)においてサーモグラフィが有効な理由は以下です。
- 通電状態のまま測定できる
- 非接触で安全に点検できる
- 面で異常を検出できる
- 比較診断が容易
- 受変電設備においては、安全な距離を保ちながら分離器や遮断器の加熱を評価できます。
非接触
稼働中
面で確認
異常発熱の主な原因
配電盤・分電盤・受変電設備などの電気設備の異常発熱は単なる温度上昇ではなく、原因ごとに特徴があります。

代表的な異常発熱の原因は以下です。
■ 接触不良
- 端子の緩み
- 酸化・腐食
- 圧着不良
👉 局所的な高温
■ 過負荷
- 定格以上の電流
👉 全体的な温度上昇
■ 相間アンバランス
- 三相の負荷不均等
👉 相ごとの温度差
■ 導体劣化
- 経年劣化
👉 発熱の増加
測定手順:現場での基本フロー
正しい測定手順を踏まないと、異常を見逃す、または誤判定につながります。
どの異常を見たいか
- 通常運転か
- 負荷状態
- 放射率
- 反射
- 距離
- フォーカス
盤全体 → 詳細
- 相間比較
- 同型比較
正しい判断方法:温度だけで判断しない
配電盤・分電盤・受変電設備などの電気設備の点検で最も多いミスは、「温度が高い=異常」と判断することです。判断の基本は以下です。

■ 比較する
- 相間
- 同型
- 過去
■ 条件を見る
- 負荷
- 周囲温度
■ 温度差を見る
- ΔT(温度差)
注意点と誤判定を防ぐポイント
サーモグラフィ診断では、測定条件による誤差を理解することが重要です。特に注意すべき点は、以下です。
- 金属面の反射
- 放射率設定ミス
- 距離が遠い
- 斜め測定
- 日射影響
よくある質問と回答
- 配電盤診断で何を見る?
-
異常発熱と温度差です。
- 一番多い原因は?
-
接触不良です。
- 温度が何度だと異常といえますか?
-
絶対値ではなく温度差で判断します。
- 相間差はどれくらい重要?
-
非常に重要です。
- 金属面は測れる?
-
誤差が出やすいので注意が必要です。
- 単独で診断できる?
-
できません。他手法と併用します。




