赤外線サーモグラフィを用いた建物診断は、非破壊・短期間で断熱欠損、内部漏水、外壁タイルの浮きを可視化する手法です。
断熱欠損、熱橋、気密不良、窓・サッシ周辺、天井・壁・床の温度ムラなどを調べる用途です。

HIKMICRO PocketE / Pocket2 ポケットサーモグラフィカメラ
HIKMICRO PocketE :温度測定範囲 : -20℃~350℃ 熱画像解像度:96x96
HIKMICRO Pocket2:温度測定範囲 : -20℃~400℃ 熱画像解像度:256×192
建物検査を明記した小型モデル。室内巡回や断熱不良のスクリーニングに使いやすい
熱画像と写真の融合で、“見える”をもっと鮮明。Super IR画像強化技術
温度分布(PocketE:NETD<50mK 0.05℃/Pocket2:NETD<40mK 0.04℃)
3.5インチLCDモニタのタッチスクリーンでラクラク操作。高温アラーム機能付き。連続デジタルズーム(1X~4X)

HIKMICRO M20 / M20W / M31 / M60 ハンディサーモグラフィ
HIKMICRO M11/M11W/M20/M20W:温度測定範囲 : -20℃~550℃
HIKMICRO M31/M60:温度測定範囲 : -20℃~650℃
広い面積を効率よくスキャンでき、壁・天井など建築面の温度分布確認に向く
Super IR画像強化技術による鮮明な熱画像。
温度分布(NETD<40mK 0.04℃)
マニュアルフォーカスで0.1mの距離もはっきりと検査可能。
1回画面をタップするだけで、表示範囲を狭めてコントラストを向上

FLIR C5 コンパクトサーモグラフィカメラ
温度測定範囲 : -20℃~400℃|熱画像解像度: 160×120|WiFi機能付
プロフェッショナルツールとして、52°×42°の広い視野角。建物検査・エネルギー監査用
頑丈かつコンパクト

FLIR C8 小型サーモグラフィカメラ Wi-Fi付きクラウド対応
小型ながら320×240。建築診断の携帯性と画像情報量を両立
可視画像のディテールを熱画像に重ねて表示し、問題の特定をよりスピーディに。
測定温度範囲:-20°C~450°C、熱画像解像度:320×240
温度分布(NETD<50mK 0.05℃)
測定視野角:35°×27°、クラウドサービスFLIR IgniteとのWi-Fi接続

FLIR E5 Pro~E8 Pro 赤外線サーモグラフィ
温度測定範囲 : -20℃~400℃|熱画像解像度: 160×120
フォーカスフリーで建物の日常診断に扱いやすい。FLIR E8 Proは、断熱欠損などの温度分布を詳細に確認したい場合用
リアルタイムに精密・鮮明な熱画像を表示、MSX搭載。温度分布(NETD<60mK 0.06℃)
3.5インチタッチパネルで効率的な検査を実施。近距離中距離向け手軽・万能なサーモグラフィカメラ。
気密性・断熱性の診断
屋根防水の劣化診断
壁面内部配管の漏水調査
外壁の老朽化診断
タイルの剥離
気密性・断熱性の診断
内装リフォームや新築施工において、目視では確認できない壁体内や配管貫通部の気密・断熱性能を赤外線サーモグラフィで測定。施工不良や隙間風(気密漏れ)による熱ロス位置を正確に特定します。

診断のポイントと検出事例
- 配管貫通部・サッシ周り: 隙間から侵入する外気が局所的な温度変化として鮮明に描写されます。
- 壁面・天井の断熱欠損: 断熱材の施工漏れやズレによる熱橋(ヒートブリッジ)現象を解体前に把握できます。
屋根防水の劣化診断
屋上や屋根防水の劣化は、表面を目視するだけでは浸水範囲を判断できません。赤外線サーモグラフィにより、防水層内部に侵入した雨水や水分過多の領域を温度差として非破壊で測定・診断します。

屋上や屋根防水からの漏水においては、防水層内部に雨水が浸入して発生するケースが多く、表面を目視するだけでは判断ができません。
赤外線サーモグラフィを使用することにより、防水層の温度を計測。屋根の水分過多や防水層内部に浸入した雨水の有無を測定することにより、屋根防水の劣化診断ができます。
主な活用メリット
- 全面張り替えを回避し、雨水侵入領域のみをピンポイントで補修。
- 室内への漏水被害が表面化する前の予防保全が可能。
壁面内部配管の漏水調査

壁面内部に設置されている、給水・給湯管及び排水管からの漏水についても目視調査は不可能であるため、壁面を解体する等の処置を施さない限り、確認することは困難です。
赤外線サーモグラフィを使用することにより、壁面の温度差を計測し、漏水発生箇所を確認することが可能となります。
壁内漏水調査の3ステップ
STEP 01
熱変化のスクリーニング
壁面全体を撮影し、配管経路に沿った不自然な温度拡散パターンを捉えます。
STEP 02
給湯・給水影響の特定
温水漏れ(局所的高温)や冷水漏れ(気化熱冷却・低温化)の特性に応じて水分拡散のコアを特定します。
STEP 03
最小限の開口修繕
原因箇所のみをピンポイントで解体・修繕するため、復旧費用と工期を大幅に削減します。
外壁の老朽化診断

外壁の仕上げモルタルが剥離すると、内部に空気層ができます。
空気層は大きな断熱性を持っており、仕上げ材が剥離している部分では剥離部裏面の空気層が熱を伝えにくい為、健全部に比較して表面温度の変動が大きくなります。
日射があたったり外気温が上昇する時には、健全部より高温になり、日射が無い夜間には、逆に低温になります。
外壁赤外線調査とは
外壁仕上げ材の浮き・剥離によって生じる「内部空気層」の断熱効果を利用し、日照や外気温変動に伴う表面温度の差異から危険部位を抽出する非破壊検査手法。
赤外線調査に必要な4つの撮影環境条件
- 日射量の確保: 太陽熱による表面温度変化を利用するため、直射日光のない日や影になる部位は測定不能。
- 空気層の介在: 完全密着したクラックや空隙のない浮きは熱遮断が起きないため検出不可。
- 風速制限(風速5m/s未満): 風速5m/s以上の強風下では、表面温度差が強制冷却・平均化されるため測定不向き。
- 遮蔽物の排除: 街路樹や看板などの遮蔽物があるエリアは撮影不能。
外壁タイルの剥離

可視画像と比較することで、どの部位に異常があるかの判断が分かり易く簡単に行えます。
また実画像だけでは、分かり難いひび割れなどの表面変状の影響を判断できます。
剥離部位の温度挙動
- 日中(日射時): 空気層が熱伝導を阻害するため、剥離部が健全相より高温になる。
- 夜間(冷却時): 躯体からの熱供給が途絶えるため、剥離部が健全相より低温になる。
タイル剥離の診断では、赤外線熱画像と可視画像を正確に比較参照することが不可欠です。
実画像だけでは判別困難な表面変状やひび割れの影響を視覚的に短時間で判別できます。
| 画像タイプ | 判別できる内容 | 役割 |
| 可視画像(実画像) | 汚れ・目地状態・表面の大きなクラック | 撮影位置の特定と表面要因の除外 |
| 赤外線サーモグラフィ | タイル裏面の浮き(空気層による高温/低温領域) | 内部の潜在的剥離リスクの視覚化 |
赤外線サーモグラフィー調査の条件
- 外壁の日射による温度変化を利用する方法なので日射がないと利用不能
- 同じく外壁との間に遮蔽物があると撮影不可能
- 「空気層が介在する」 浮きしか見つけることが出来ない
- 風速5m/s以上の日には健全部と異常部の温度が平均化される為測定に不向き
費用対効果:導入で何が得られるか(ROI)
赤外線サーモグラフィの導入は、従来の足場仮設費や破壊調査にかかる莫大なコストを削減します。短期間での投資回収と、説得力ある診断レポートによる受注率向上を同時に実現します。
導入による定量的インパクト
- 外壁調査の仮設費用を約50%〜70%削減
高額な足場組やゴンドラ設置が不要となり、地上からの遠隔撮影で12条点検を完了可能。 - 調査工数の劇的削減と安全性確保
面で一括撮影するため作業時間が従来の1/3以下に縮小。高所作業に伴う落下の労災リスクを排除。 - 無駄な解体・復旧コストのゼロ化
漏水や断熱不良の位置をピンポイント特定できるため、修繕範囲を最小限に抑制可能。
サーモグラフィで建物診断をする主なメリット:
- 非接触で広範囲を確認できる
- 断熱性能を可視化できる
- 漏水の兆候を検出できる
- 内部構造を壊さず診断可能
よくある質問と回答 FAQ の作成
建物診断への赤外線サーモグラフィ導入や、現場での実際の運用方法に関して多く寄せられる質問に専門家が分かりやすく回答します。
- 雨が降っている最中に漏水調査を行うのが一番正確ですか?
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いいえ、降雨中は雨水によって外壁・屋根の表面温度が一均一化(冷却)されてしまうため適しません。降雨後、水分が浸入した状態かつ表面が乾き始めるタイミングでの撮影が最も効果的です。
- タイルやモルタルの浮き以外に、ひび割れ自体も熱画像で分かりますか?
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クラック(ひび割れ)単体では温度差が出にくいですが、クラックから雨水が侵入している場合や、クラック周りに空気層(剥離)が伴っている場合は熱画像上で明瞭な差として確認できます。

