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粉じん計の選び方ガイド【プロ監修】|ビル管法・作業環境測定のおすすめ機種比較

粉じん計(粉塵計)は、使用する目的や法律(ビル管法・作業環境測定基準など)によって選ぶべき機種が厳密に異なります。「どれを買えばいいかわからない」「校正期間やランニングコストが気になる」というご相談を多くいただきます。 本記事では、測定器専門としての販売実績をもとに、失敗しない粉じん計の選び方と、柴田科学・カノマックスなどの人気機種を徹底比較します。
この記事でわかること

  • 【目的別】あなたの現場に最適な一台
  • 光散乱式とピエゾバランス式の違い
  • 購入後の校正(較正)やメンテナンスの注意点

粉じん計選びの基本:まずは「目的・法律」を確認しよう

粉じん計選びで最も重要なのは「どの法律・規制に対応する必要があるか」です。大きく分けて以下の3つのパターンがあります。
ビル管理技術者、作業環境測定士、建設現場監督、工場の安全管理担当者必須の選び方のポイントです。

  • 対象: ビルメンテナンス業、清掃業者
  • 必須機能: 光散乱式、較正(校正)認可製品
  • 推奨機種: 日本カノマックス 3432 | 柴田科学 LD-3S
  • 「建築物衛生法(旧ビル管法)に基づく空気環境測定には、日本建築衛生管理教育センターの較正を受けた機器が必要です。」
  • 対象: 工場、溶接現場、オイルミスト発生現場
  • 必須機能: 公益社団法人日本作業環境測定協会(日測協)の型式認定製品
  • 推奨機種: 柴田科学 LD-5R|日本カノマックス 3444
  • 対象: アスベスト除去、ずい道工事
  • 必須機能: 堅牢性、高濃度対応、バックライト
  • 推奨機種: 柴田科学 LD-5R(トンネル用)| カノマックス 3444

【メーカー比較】柴田科学 vs 日本カノマックス 人気機種の実力

業界の2大メーカーである「柴田科学(Sibata)」と「日本カノマックス(Kanomax)」。どちらも高性能ですが、操作性や特徴に違いがあります。プロの視点で比較します。

比較項目柴田科学 (例: LD-5R)日本カノマックス (例: Model 3432)
特徴拡張性が高い。ポンプ吸引式で安定。軽量・コンパクト。直感的な操作。
強みオプションが豊富で多用途に対応。とにかく軽い。持ち運びが多い現場向き。
画面情報量が多い液晶シンプルで見やすい数値表示
価格帯機能により変動(ミドル〜ハイ)コストパフォーマンスが高い
粉じん計の製品一覧を見る(販売ページへ) 

測定方式の違い「光散乱式」と「ピエゾバランス式」とは?

専門用語で戸惑いやすい「測定原理」の違いを解説します。ここを間違えると、現場によっては正確な数値が出ない(エラーになる)場合があります。

光散乱式(デジタル粉じん計)とは?

  • 仕組み: 粒子に光を当てて、その散乱光で濃度を測る。
  • メリット: リアルタイムで測定可能、高感度。
  • 注意点: オイルミストや水滴(霧)の影響を受けやすい。
  • 代表機種: LD-5R、3432

ピエゾバランス式粉じん計とは?

  • 仕組み: 水晶振動子に粉じんを付着させ、重量変化を測る。
  • メリット: 「質量濃度」を直接表示できる。オイルミストの影響を受けにくい。
  • 用途: 工場の切削油現場など。
  • 代表機種: 日本カノマックス Model 3521

購入前に知っておきたい「校正(較正)」とメンテナンス

粉じん計は「買っておしまい」ではありません。法律で定められた定期的な「校正(キャリブレーション)」が必要です。これを怠ると測定データが無効になるリスクがあります。

STEP
有効期限の確認

通常は1年ごとに校正が必要です。

STEP
販売店へ依頼

サトテック(佐藤商事)なら、面倒な手続きを代行します。

STEP
お預かり・校正作業

期間は約3〜4週間(メーカーや時期による)。

STEP
返却・証明書発行

「較正証明書」「トレーサビリティ体系図」などが発行されます。

注意

注意:ビル管法の校正終了機種について 旧モデル(LD-2、3431など)は校正受付が終了しています。後継機種(LD-6N2、3432)への買い替えをご検討ください。

よくある質問(FAQ)

粉じん計の導入に関して、お客様からよくいただく質問をまとめました。

デジタル粉じん計はPM2.5の測定にも使えますか?

はい、機種によっては可能です。例えば柴田科学のLD-5Rは、分粒装置を交換することでPM2.5の簡易測定に対応します。

レンタルと購入、どちらが得ですか?

年に数回の測定であればレンタルが安価ですが、頻繁に使う場合や「いつでも使える状態」が必要な場合は購入をおすすめします。

見積書や請求書払いは対応していますか?

はい、対応可能です。官公庁や教育機関への納入実績も多数ございますので、安心してお問い合わせください。

粉じん計の一覧を見る(販売サイトへ) 
機種選定について問い合わせる 

知っておきたい用語解説

意外と知らない?「質量濃度(mg/m³)」と「相対濃度(CPM)」の違い

粉じん計の画面には、機種によって異なる単位が表示されます。法律に基づく報告書を作成するためには、この2つの違いと「換算方法」を理解しておく必要があります。

質量濃度(しつりょうのうど) 単位:mg/m³(ミリグラム 毎 立方メートル)

空気1立方メートルあたりに、「何mgの重さ」の粉じんが含まれているかを示す値です。 ビル管法や作業環境測定基準などの法律で定められた基準値は、すべてこの「質量濃度」で指定されています。最終的な報告書にはこの数値を記載する必要があります。

相対濃度(そうたいのうど) 単位:CPM(Count Per Minute / カウント 毎 分)

光散乱式粉じん計が計測した、1分間あたりの「散乱光の量(またはパルス数)」です。 あくまでセンサーが反応した数値であり、実際の「重さ(質量)」ではありません。粉じんの性質(色や粒の大きさ)によって数値が変動するため、「相対」濃度と呼ばれます。

【重要】相対濃度から質量濃度への計算式

デジタル粉じん計(光散乱式)の多くは、まずセンサーで「相対濃度(CPM)」を測ります。 そこに、現場ごとの「質量濃度変換係数(K値)」を掛け合わせることで、法律で必要な「質量濃度(mg/m³)」を算出しています。

$$質量濃度 (mg/m^3) = 相対濃度 (CPM) \times 質量濃度変換係数 (K値)

技術担当

プロのアドバイス:
最新のデジタル粉じん計(柴田科学 LD-5Rなど)は、このK値を事前に設定することで、画面上に直接「mg/m³」を表示させる機能を持っています。計算の手間を省きたい場合は、こうした機能を持つ機種(質量濃度換算機能付き)を選ぶのがおすすめです。

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