雨量計の導入を検討する際、「種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない」「検定付きと無しの違いは?」と迷われていませんか? 建設現場の安全管理、農業の水分管理、防災対策など、用途によって最適な雨量計は異なります。結論から言うと、雨量計選びで失敗しないためのポイントは以下の3点です。
- 公的な証明が必要か?(気象庁検定の有無)
- データをどう管理するか?(SDカード記録 vs 遠隔監視IoT)
- 精度の基準(転倒ます式の0.5mm計測が標準)
この記事では、測定器のプロの視点から、用途別の最適な選び方とおすすめの機種(サトテック、大田計器など)をわかりやすく解説します。

【最重要】「気象庁検定」が必要かどうかで選ぶ
雨量計選びで最初に決めるべきは、「観測したデータを公的な証明として使うか」という点です。これにより、選ぶべき製品と価格帯が大きく変わります。
公的な証明・提出が必要な場合(気象庁検定付き)
工事現場の安全管理記録を役所に提出する場合や、気象業務法に基づく観測を行う場合は、「気象庁検定付き(検定品)」の雨量計が必須です。 検定合格証がついた製品でなければ、そのデータは公式な記録として認められません。
日本の標準的な雨量計として信頼性が高く、官公庁でも多く採用されています。
社内管理・農業・目安用の場合(社内検査品)
自社の防災対策、ハウス栽培の水分管理、ゴルフ場の芝管理など、あくまで「目安」や「社内データ」として活用する場合は、「社内検査品(検定なし)」で十分です。 検定費用がかからない分、コストを大幅に抑えることができます。
低価格ながら0.5mm単位の高精度計測が可能で、コストパフォーマンスに優れています。
測定方式は「転倒ます型」が標準
雨量計にはいくつかの方式がありますが、業務用途で選ぶなら「転倒ます型(てんとうます)」一択です。
転倒ます型とは?
じょうご(受水口)から入った雨水が、内部にある「シーソーのような2つの枡(ます)」に溜まります。一定量(通常0.5mm)溜まると枡がコトンと倒れ、その回数をカウントして雨量を算出する仕組みです。
- メリット: 電源不要で動作する(ヒーター無しの場合)、構造がシンプルで故障が少ない、デジタルデータ化しやすい。
- 注意点: 落ち葉やゴミが詰まると動かなくなるため、定期的な清掃が必要です。
データの記録・確認方法で選ぶ(IoT・ロガー)
「雨が降っていることをどこで知りたいか」によって、組み合わせるシステムが異なります。
| ニーズ | おすすめのシステム構成 | 特徴 |
|---|---|---|
| 現場に行かずスマホで見たい | IoT遠隔監視システム (MJ-IoT-URYOUなど) | 事務所や自宅からリアルタイムで雨量を確認。警報メール機能あり。 |
| 後でデータを分析したい | データロガー (MJ-AME-SD01など) | SDカードに長期間のデータを保存。PCでExcel解析が可能。 |
| その場で警報を鳴らしたい | 警報出力ユニット (MJ-AME-SD01など) | 設定した雨量を超えたらパトライトを回すなどの制御が可能。 |
技術担当注目技術:IoT対応 近年は異常気象が増加しているため、現場に行かずに危険を察知できる「遠隔監視システム(IoT)」の需要が急増しています。サトテックのシステムなら、既存の雨量計に後付けで遠隔監視機能を付加することも可能です。
プロが推奨するおすすめ雨量計 2選
コスパ重視なら「サトテック MJ-AME」
特徴: 気象庁検定品と同等の0.5mm転倒ます方式を採用しながら、価格を抑えたモデル。
- 用途: 農業、工場の排水管理、簡易的な防災監視。
- ポイント: データロガーやIoTシステムとのセット運用に最適。
信頼性重視なら「大田計器 OW-34-BP」
特徴: 日本の気象観測のスタンダード。堅牢な作りと高い信頼性。
- 用途: 公共工事、行政への報告が必要な現場、長期設置。
- ポイント: 「気象庁検定付き」を選べば、法的なエビデンスとして使用可能。
よくある質問(FAQ)
- 寒冷地(雪国)でも使えますか?
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通常の雨量計では雪が溶けずに詰まってしまうため、計測できません。寒冷地では、ヒーターを内蔵して雪を溶かしながら計測できる「ヒーター付き雨量計」または「温水循環式」を選定する必要があります。
- 設置場所に決まりはありますか?
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建物や樹木の近くでは、風の巻き込みや雨の遮断により正確に測れない場合があります。できるだけ周囲が開けた場所(障害物の高さの2倍以上の距離を空けるなど)に設置するのが理想です。
- メンテナンスは必要ですか?
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はい。受水口に落ち葉や泥が詰まると計測できなくなります。特に台風の後や落葉の季節は、こまめな点検と清掃を推奨します。
迷ったら専門スタッフにご相談を



雨量計は「何を知りたいか」によって選ぶ機器が決まります。 迷われた際は、測定器の専門ブランドである私たちにぜひご相談ください。お客様の課題解決に最適な一台をご提案します。
