赤外線サーモグラフィは、設備表面の赤外線放射を捉えて温度分布を画像として可視化し、異常発熱・断熱不良・熱損失・接触不良などを非接触で把握するための設備診断技術です。


設備保全の現場では、
「熱い」こと自体が異常なのではなく、“どこが・なぜ・どの条件で・どれだけ温度差を生じているか”
を正しく読むことが重要です。
このページでは、赤外線サーモグラフィのハブとして、次の内容を整理します。
- 赤外線サーモグラフィの原理
- 設備診断で有効な用途
- 現場での測定手順
- 放射率・反射・距離などの誤差要因
- 次に読むべき詳細ページへの導線
赤外線サーモグラフィは何を測っているのか
赤外線サーモグラフィは、対象物そのものの「内部温度」を直接見ているわけではありません。
測定しているのは、対象表面から放射される赤外線エネルギーです。
したがって、画面に表示された温度値を正しく解釈するには、表面状態・放射率・周囲反射を理解しておく必要があります。
赤外線サーモグラフィは、対象物の表面が放射する赤外線をセンサーで検出し、それを温度画像へ変換します。
このため、現場実務では次の点を区別することが重要です。
■ サーモグラフィで見ているもの
- 表面温度分布
- 温度差の偏り
- 局所的な発熱点
- 熱の逃げ方・伝わり方
■ サーモグラフィだけでは断定しにくいもの
- 内部損傷の種類そのもの
- 故障原因の最終確定
- 材料内部の温度そのもの
- 負荷条件を無視した良否判定
放射率とは?温度がずれる原因を解説
非接触温度計とサーモグラフィの違い
表面温度と内部異常の関係
設備診断で赤外線サーモグラフィが有効な理由
赤外線サーモグラフィの最大の強みは、停止せずに、離れた位置から、面で異常を把握できることです。点で測る接触式温度計と異なり、設備全体の温度分布を一度に確認できるため、異常の見逃し低減に役立ちます。
設備診断で赤外線サーモグラフィが重視される理由は、次の4点です。
1.非接触で測定できる
高温部、回転体、通電部、近づきにくい配管・天井設備でも、安全距離を取りながら温度確認ができます。
2.面で把握できる
一点測定では見落としやすい局所発熱も、温度分布画像なら把握しやすくなります。
3.稼働中の状態を確認できる
異常は無負荷停止時より、稼働中や負荷変動時に表れやすい場合があります。サーモグラフィはその瞬間の状態把握に向いています。
4.比較診断に向く
同型設備、左右相、上流下流、入口出口などを比較することで、絶対温度だけでは見えない異常傾向を把握できます。
サーモグラフィが特に有効な現場
- 配電盤の異常発熱診断を見る
- モーター・軸受の温度診断を見る
- 断熱・熱損失診断を見る
赤外線サーモグラフィの主な設備診断用途
赤外線サーモグラフィは、電気設備だけでなく、回転機械、炉、配管、建築設備、研究設備などでも活用されます。重要なのは、何を異常とみなすかを設備ごとに定義することです。
■ 電気設備
- 配電盤、分電盤、ブレーカ、端子台
- 接触抵抗増大による局部発熱
- 相間比較による異常検知
■ 回転機械
- モーター外装温度
- 軸受ハウジング温度
- カップリング周辺の偏熱
- 潤滑不良や負荷異常の兆候確認
■ 配管・熱設備
- 蒸気配管の断熱不良
- バルブ・フランジ部の熱漏れ
- 熱交換器の偏流・閉塞兆候
- 炉壁・加熱設備の温度ムラ
■ 建築・設備保全
- 空調ダクトの温度偏差
- 断熱欠損
- 漏水調査の補助
- 太陽光設備や建物外皮の診断
配電盤のサーモグラフィ診断
モーター・軸受の温度異常診断
蒸気配管・断熱不良の可視化
建物の断熱診断と漏水調査
測定値がずれる主因:放射率・反射・距離・視野角
赤外線サーモグラフィで最も誤解されやすいのは、表示温度が常に真値とは限らないという点です。
特に金属光沢面では、放射率が低く周囲の反射を拾いやすいため、測定条件を無視すると誤判定につながります。
現場で特に重要な誤差要因は次の4つです。
1.放射率(Emissivity)
放射率が低い材料ほど、実温度と表示温度の差が大きくなりやすくなります。塗装面と鏡面金属面を同じ設定で測るのは危険です。
2.反射温度(Reflected apparent temperature)
光沢面では、周囲の熱源や人体、空、照明などの反射が映り込みます。
「熱いように見える」のに対象物自体が熱いとは限りません。
3.測定距離とスポットサイズ
対象が小さいのに離れすぎると、周囲の温度が混ざって正しく読めません。
空間分解能を超えた測定は避ける必要があります。
4.視野角と観察角度
斜めから見ると反射の影響が増えたり、表面状態の影響が強く出ることがあります。可能な限り条件を揃えて比較することが重要です。
実務での基本対策
- 光沢金属面はそのまま鵜呑みにしない
- 黒体テープや艶消し処理を検討する
- 同一条件で比較撮影する
- 反射源の有無を確認する
- 絶対温度より温度分布と比較差を重視する
NG
光沢金属をそのまま真温度として判断
OK
放射率・反射を確認して比較診断
Q:なぜ金属面は誤差が出やすいのか?
SWELLボタン+補足テキスト推奨
上部マイクロテキスト
温度が合わない原因を深く知る
\ 温度が合わない原因を深く知る /
放射率の基礎を詳しく見る
金属面の温度測定で失敗しない方法
サーモグラフィの反射対策を見る
赤外線サーモグラフィ診断の基本手順
サーモグラフィ診断は、機器を向けて撮るだけでは実務になりません。
目的設定→条件確認→撮影→比較→原因仮説→追加確認までを一連の流れで行うことが重要です。

現場で再現しやすい基本手順は以下です。
STEP1 診断目的を明確にする
何を見たいのかを先に決めます。
例:接触不良、断熱不良、熱損失、軸受発熱、相間バランス確認。
STEP2 対象条件を確認する
稼働状態、負荷条件、外気温、風、日射、測定距離、安全距離を確認します。
STEP3 撮影条件を揃える
放射率設定、レンジ、パレット、フォーカス、撮影角度を統一します。
STEP4 比較で異常候補を抽出する
同設備比較、左右比較、相比較、過去比較を行います。
STEP5 原因仮説を立てる
「熱い」だけで終わらせず、接触抵抗、負荷偏り、摩擦、断熱欠損などを仮説化します。
STEP6 必要に応じて他手法で裏付ける
クランプメータ、振動計、超音波、点検記録、目視、保全履歴で確認します。
サーモグラフィ診断のチェックリスト
温度異常を見つけた後の原因切り分け
振動診断との併用方法
超音波診断との使い分け
赤外線サーモグラフィだけで判断してはいけない場面
赤外線サーモグラフィは非常に有効ですが、万能ではありません。設備診断で重要なのは、「サーモグラフィで見つけること」と「別の手法で確かめること」を切り分けることです。

次のような場面では、サーモグラフィ単独判断は危険です。
■ 単純に温度が高いだけでは異常と断定できない
- 高負荷運転中
- 仕様上高温になる設備
- 周囲環境温度の影響が強い設備
■ 温度に出にくい異常
- 初期段階の機械損傷
- 内部欠陥で表面まで伝熱しにくい場合
- 微小な空気漏れや内部摩耗の初期兆候
■ 他手法が有効な場面
- 軸受異常の初期検知 → 振動診断
- 圧縮空気漏れ → 超音波カメラ・超音波探知器
- 内部閉塞や内部損傷の直接確認 → 工業用内視鏡
NG
熱画像だけで故障原因を断定
OK
他手法で裏付ける
・振動診断
・超音波診断
・工業用内視鏡
振動診断
超音波診断
工業用内視鏡
よくある質問と回答(FAQ)
- 赤外線サーモグラフィは何を測っていますか?
-
対象物の表面から放射される赤外線エネルギーを検出し、表面温度分布として表示しています。内部温度を直接測っているわけではありません。
- 赤外線サーモグラフィは設備診断で何に役立ちますか?
-
配電盤の接触不良、モーターや軸受の発熱、配管の熱損失、断熱不良、温度ムラなどを非接触で可視化し、異常の早期発見に役立ちます。
- 表示温度が実際とずれるのはなぜですか?
-
主な原因は放射率設定の不一致、周囲熱源の反射、測定距離、観察角度です。特に光沢金属面では誤差に注意が必要です。
- サーモグラフィだけで故障原因を特定できますか?
-
できる場合もありますが、一般には難しいです。サーモグラフィは異常候補の抽出に優れますが、原因確定には振動、超音波、電流測定、目視点検などの併用が有効です。
- 非接触温度計と赤外線サーモグラフィの違いは何ですか?
-
非接触温度計は一点の温度を測るのに対し、赤外線サーモグラフィは面で温度分布を可視化できます。異常箇所の探索にはサーモグラフィが有利です。
- 赤外線サーモグラフィはどんな設備でも有効ですか?
-
多くの設備で有効ですが、温度変化が表面に現れにくい異常や、反射の強い低放射率面では解釈に注意が必要です。
放射率とは?温度測定誤差の基礎
配電盤の異常発熱診断
モーター温度診断
振動診断
超音波診断
工業用内視鏡
赤外線サーモグラフィのハブとして次につなげるページ構成
このページはハブなので、単独で完結させるよりも、検索意図ごとに下層ページへ送客する構造が重要です。特に「原理を知りたい人」「用途を知りたい人」「測定ミスを防ぎたい人」「製品を選びたい人」で導線を分けると、離脱率を抑えやすくなります。
下層ページの優先提案
優先度A:固定ページ(ハブ直下の基幹ページ)
- 放射率とは?赤外線サーモグラフィで温度がずれる原因
- サーモグラフィの使い方|測定手順と撮影条件
- 配電盤の異常発熱診断
- モーター・軸受の温度診断
- 断熱不良・熱損失診断
優先度B:投稿または個別解説ページ
6. 非接触温度計とサーモグラフィの違い
7. 金属面の温度測定で失敗しない方法
8. サーモグラフィ画像の見方
9. よくある誤診例
10. 予防保全における温度トレンド管理
推奨内部リンク設計
- H1直下:基礎ページ2本
- H2-3直下:用途別ページ3〜4本
- H2-4直下:放射率・反射ページ
- H2-6直下:他診断技術ハブ
- 記事末尾:カテゴリ別の導線ボックス
SWELLブロック提案
- 説明付きボックスリンク一覧
- ページ下部に**「次に読むべき記事」セクション**
- 可能ならカード型リンクで視認性を上げる
H2下の内部リンク導線提案
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単なるボタンより、リンク先の役割が一目で伝わります。
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