風速計は、空調ダクトの点検から屋外のドローン飛行、建築現場の安全管理まで幅広く使用されますが、測定原理によって「得意なこと」と「苦手なこと」がはっきり分かれています。 このページでは、40年以上の計測機器販売実績を持つ専門家が、「熱線式」と「ベーン式(羽根車式)」の決定的な違いと、あなたの現場に最適な機種の選び方を解説します。
ダクト内なら「熱線式」、吹き出し口・屋外なら「ベーン式」
風速計選びで最も重要なのは、「どこで測るか」です。以下の比較表で、用途に合った方式を確認してください。

スクロールできます
| 比較項目 | 熱線式風速計(ホットワイヤー) | ベーン式風速計(羽根車) |
|---|---|---|
| 主な用途 | ダクト内部、微風の室内、クリーンルーム | 空調吹き出し口、屋外、換気扇 |
| センサー形状 | 伸縮する細いロッド(棒状) | プロペラ(直径10cm程度〜小型まで) |
| 得意な風速 | 微風(0.1m/s〜)に強い | 中〜強風に強い |
| メリット | 小さな穴からダクト内に挿入可能。 微細な風の変化を捉える。 | ほこりやゴミに比較的強い。 風向の影響を受けにくい。 |
| デメリット | センサーが繊細で壊れやすい。 粉じんが多い場所はNG。 | センサーが大きく狭い隙間に入らない。 微風は測れないことが多い。 |
失敗しないためのチェックポイント
「風量演算」機能は必要ですか?
空調管理では、風の速さ(m/s)だけでなく、風の量(m³/h)の報告が求められることがあります。 ダクトの面積を入力するだけで自動的に風量を計算してくれる「風量演算機能付き」のモデルを選ぶと、現場での電卓計算が不要になり、作業効率が劇的に向上します。
センサーの分離・伸縮について
高所のダクトや天井の吹き出し口を測る場合、センサーと本体がケーブルで分離しているタイプや、ロッドが1メートル近く伸びる伸縮タイプが必須です。一体型は安価ですが、手元で数値が見えないため、高所作業には向きません。
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風速計に関するよくある質問
- 風速計の校正はどれくらいの頻度で行うべきですか?
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一般的には1年に1回を推奨しています。特に熱線式センサーは汚れや経年劣化で感度が変わりやすいため、ISO取得企業や公的報告に使用する場合は、定期的な校正とトレサビリティ証明書の発行が必要です。
- スマートフォンと連携できる機種はありますか?
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はい、Bluetooth対応の風速計が増えています。スマホアプリでグラフ表示したり、現場写真を撮ってデータを埋め込んだりできるため、報告書作成の手間を削減できます。
