「金属やウェハーの表面が、照明の反射で白飛びして見えない」 「高倍率にするほど、ピント調整の振動で像がブレてイライラする」
このような精密検査の悩みを解決するのが、同軸落射照明を搭載したデジタル金属顕微鏡『UM30-GN08』です。

一般的な実体顕微鏡では観察困難な半導体、フィルム、金属組織を、4Kセンサーとオートフォーカスで鮮明に可視化します。 この記事では、日本の技術者が知るべき同製品のスペック、メリット、そして導入前に知っておくべき注意点を忖度なしで解説します。






UM30-GN08金属顕微鏡とは?どんな製品か?
UM30-GN08は、同軸落射照明と4K CMOSセンサーを搭載した、HDMI直結型のデジタル金属顕微鏡です。
最高2042倍の高倍率で、金属や半導体の微細構造をPCなしで瞬時に検査・撮影できます。

主要なスペックは以下の通りです。
- 最大倍率: 2042倍(24インチモニター基準)
- 解像度: 4K Ultra HD CMOSセンサー採用
- フレームレート: 60fps(遅延のない滑らかな動き)
- 照明: 同軸落射照明(明るさ調整可能)
- 操作: 赤外線リモコンによるオートフォーカス
- 出力: HDMI(モニター)、USB(PC)、MicroSD
特に重要なのは「DIN規格の対物レンズ(4x/10x/20x)」を採用している点です。 一般的なデジタル顕微鏡よりも、光学的に優れた解像度を実現しています。

なぜ「同軸落射照明」が必要なのか?
鏡面(金属・ウェハー)の観察において、通常のリング照明では起こる「ハレーション(白飛び)」を物理的に防ぎ、表面の微細なキズやパターンを可視化するためです。
鏡面仕上げの金属やシリコンウェハーは、通常のリング照明では光を反射しすぎて表面しか見えません。
同軸落射照明はレンズ内部から光を照射することで、反射を抑え、対象物の「内部組織」や「微細な凹凸」をくっきりと浮かび上がらせます。

通常のマイクロスコープと本機の決定的な違いは、照明技術にあります。
- 一般的なリング照明: 斜めから光を当てるため、立体物には強いですが、鏡面物体ではハレーション(白飛び)が起きます。
- UM30-GN08の同軸落射照明: レンズの光軸と同じ向きに光を当てます。これにより、ウェハーの配線パターンや金属の研磨面など、フラットで反射率の高いサンプルの観察に最適化されています。
特に威力を発揮する用途
- 半導体ウェハー、ICチップのボイド検査
- 金属組織の粒界観察
- 液晶パネル(LCD)、ガラス基板のパターン検査
2000倍でもブレない「完全リモート操作」の利点
2000倍超の世界では、本体に触れるわずかな振動すら命取りです。 本機は赤外線リモコンですべて(フォーカス、ズーム、撮影、照明)を操作できるため、手ブレによる検査ミスを物理的にゼロにします。
高倍率検査における最大のストレスは「ピント合わせ」です。 UM30-GN08は、以下のフローでストレスフリーな検査を実現します。
サンプルをステージに置くだけで、高速オートフォーカスが作動。瞬時に大まかなピントが合います。
ここからは本体に触れません。リモコン操作でフォーカスの微調整、ズームイン(最大2042倍)、露出補正を行います。高倍率観察の大敵である「操作時の振動」が一切発生しません。
HDMI接続時は「60fps」の滑らかな映像が出力されます。PC経由のUSBカメラにありがちな「カクつき(遅延)」がないため、目視検査と同じ感覚でスムーズに位置合わせが可能。
リモコンのシャッターボタンを押せば、ブレのない高精細画像がMicroSDカードに保存されます。
また、HDMI接続時は60fpsで描画されるため、モニターを見ながら位置合わせをしても映像の遅延(カクつき)が全くありません。
メリットとデメリット(公正な評価)
平面の鏡面観察には最強のツールですが、凹凸の激しいサンプルの立体観察には不向きです。 用途とのマッチングが導入成功の鍵となります。
メリット(得意なこと)
- 反射物に圧倒的に強い: 半導体、金属、フィルム検査において、高額な大型金属顕微鏡と同等の視認性を低コストで実現。
- PCレスで完結: PCを持ち込めない現場やクリーンルームでも、モニターさえあれば検査・保存が可能。
- 4Kセンサーの高画質: デジタルズームを使用しても解像感が損なわれず、微細な欠陥を見逃さない。
デメリット(注意点)
- 凹凸のある物体は苦手: 被写界深度(ピントの合う範囲)が浅いため、電子基板のハンダ側面や、凹凸の激しい岩石などの立体観察には不向きです。
- 照明の切り替え不可: 同軸落射照明に特化しているため、光を反射しない素材(紙、布、木材など)の観察には適していません。

よくある質問(FAQ)
- 計測機能はありますか?
-
はい。PCとUSB接続し、付属ソフト「UM Viewer」を使用することで、2D計測(距離、角度、円、面積など)、自動エッジ検出、画像比較などが可能です。
- MacやAndroidでも使えますか?
-
対応しています。Windowsだけでなく、Mac、AndroidタブレットともUSB接続が可能です。ただし、表示遅延が最も少ないHDMI接続(モニター直結)での運用を推奨します。
- 作動距離(ワーキングディスタンス)はどのくらいですか?
-
装着するレンズによりますが、1.6mm 〜 15.7mmの間です。
高倍率観察を行うため、対象物とレンズの距離は非常に近くなります。
UM30-GN08 仕様一覧
| 項目 | 内容 |
| 倍率 | 284倍 〜 2042倍(24インチモニター使用時) |
| 作動距離 (WD) | 1.6 mm 〜 15.7 mm |
| 視野範囲 (FOV) | 1.87 mm 〜 0.26 mm |
| CMOSセンサー | 4K Ultra HD |
| 出力インターフェース | 1080P Full HD (HDMI) / USB 2.0 / Micro SDカードスロット |
| フォーカスシステム | IRリモートコントロール、オートフォーカス / マニュアルフォーカス切替 |
| Micro SDカード対応 | 最大128GB(JPEG形式で保存) |
| 照明 | 白色光(リモコンで輝度調整可能) |
| 本体サイズ | 68(L) x 66(W) x 255(H) mm |
| 電源 | DC 5V/2A(ケーブル長 180cm) |
| ソフトウェア機能 | 自動キャリブレーション、2D計測、画像比較など |
| ソフトウェア対応OS | Windows (7, 8, 10, 11)、Mac、Android |
| デバイス対応プラットフォーム | Windows、Mac、Android |
| 付属レンズ | DINレンズ (4X, 10X, 20X) |
